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debsy cosplay

『呑んでもないのに記憶がない……。』

『呑んでもないのに記憶がない……。』

 

 

混乱を極める脳内で自分に問いかける。

寝る前に何があった?

 

 

昨日の出来事を報告する時間を設けられた。桂の体の上で。

何故上で?それは野暮な質問だ。桂の気分がそうだったとしか言いようがない。

 

 

……疲れて眠気の限界やったんよね。』

 

 

それなのに罪悪感と羞恥心のせめぎ合いが起きてそこからぷっつり記憶の糸が途切れたんだ。

 

 

思い出したくない記憶を辿る試練は乗り越えた。次は自分を閉じ込めているこの檻を起こさないように抜け出さねば。Botox價錢

 

 

腕からすり抜けようとそぉーっと少しずつ身を動かすが,

 

 

「逃さないよ?」

 

 

「ひゃっ!起きてるっ!?」

 

 

全身に圧力を感じ,頭は胸板に押し付けられた。

 

 

「起きてると言うか寝られないよね,自分だけ果てて寝た君はいいよ。こっちはすっきりしてないんだ。」

 

 

勝手に果てたんじゃなくて果てさせられたんだけど。

……とは言えず小さくすみませんと謝った。

 

 

とりあえず朝餉の支度を理由に離してもらおうと胸板を押し返すが,

 

 

「朝餉なら君をいただくから要らないよ。」

 

 

なんて無情なお言葉をいただき敢え無く撃沈。

まだまだ日が昇るのが遅くて暗く冬の朝に,火鉢もなしで体を暖めた。

 

 

 

 

 

「本当に来るの?悪いけど晋作から守ってあげられないよ?」

 

 

これでも忙しい身なんだよと困り果てた顔で後頭部を掻いた。

 

 

「とりあえず乃美さんの部屋に逃げ込むようにします。」

 

 

今分かってる高杉の弱点は乃美だ。

部屋に乃美が居ようが居まいがあの部屋には踏み込まないのは分かった。

 

 

三津の今の気分は戦場に向かう武士。高杉討伐にいざ出陣。

その意気込みが伝わったのか桂が深い溜息をついた。

 

 

「今日また心臓に悪い問題を起こしたら昨日以上のお仕置きするからね。」

 

 

それには三津の気合が萎む。ごくりと唾を飲む。

 

 

「きっ……気を付けます……。」

 

 

あからさまに動揺する様がさらに桂の苛めたい衝動に拍車をかける。

 

 

「次は何してもらおうかな。

それを考えるのも楽しいからいっその事面倒事起こしてくれていいよ?」

 

 

にっこり微笑む顔に狂気を感じた。まさか桂から身の危険を感じさせられるとは。

 

 

「や……やっぱり留守番してよっかなぁ〜……。」

 

 

「遠慮することは無い。話し合って晋作が納得して長州に帰るならそれに越したことはない。」

 

 

自分の大切な相手が嫁にされるかもしれない一大事なのに何と非情な。

 

 

いや,高杉との真っ向勝負を挑もうと決めたのは自分だが問題を起こして欲しいとはいかがなものか。

 

 

「私が高杉さんと長州に行ってもいいんですか……。」

 

 

「何を言ってるの?そんな事させる訳ないだろ?

それにそうならない為に面と向かいに行くんじゃないのかい?」

 

 

お仕置きを恐れる余り本来の目的を忘れるとこだった。

逃げ惑わず高杉と正面からぶつかって長州へ帰ってもらうのだ。

 

 

「全力で討伐しますね。」

 

 

何やらおかしな方向に考えてないか?と,やはり不安に思う桂の心情などお構いなしに三津は待ってろ高杉と言わんばかりの勇ましい足取りで道を進んだ。

 

 

「三津さん見つけたぁぁぁぁ!!!」

 

 

屋敷に入ると三津めがけて猪突猛進。暴れ牛の勢いに足が竦むがここで逃げれば女が廃る。

 

 

「高杉さん!ちゃんと話し合いましょう!」

 

 

三津はばっと両手を広げた。この胸に飛び込んで来いと言わんばかり。

 

 

「ようやく俺を受け入れる気になったんか!」

 

 

嬉々として突っ込んでくる高杉に対し三津はしなやかに上体を反らせた。

 

 

「だから落ち着いてっ!」

 

 

高杉の顔が真ん前に迫ったその瞬間,反らせた上半身をしならせて渾身の頭突き。

 

 

ごんっ!と言う生身の人間からするような音ではない鈍い音と共に,

 

 

「いっ!!!」

 

 

「ってぇぇぇぇ!!!」

「ったぁぁぁい!!!」

 

 

お互いに額を両手で押さえて廊下でのたうち回った。

 

 

『なんて事をっ!!!』

 

 

桂は声にならない声で絶叫。

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